【キャリア実録#3】銀行からM&A仲介への挑戦!M&A仲介転職の成功体験と後悔

銀行に約10年間在籍し、その後にM&A仲介会社に転職をした方へインタビューをしました。

この方は、前職の年収保証を行ってくれるようなM&A仲介会社がある中で、あえて前職の銀行より年収が低いM&A仲介会社へ転職を行いました。

一般的に転職を行う場合は年収ダウンは避けるようにと言われる中で、そのセオリーに逆らって果敢に転職を行った結果と、転職活動における失敗・後悔を赤裸々に伺いました。

特に、未経験でのM&A業界(FAS、M&A仲介会社)への転職を考えている方におかれては是非本記事をお読みいただけると幸いです。

<インタビュー日>2024年12月某日
<年齢性別>30代男性
<資格>主要資格保持無し
<前職>商業銀行 (年収800-900万円)
<現職>M&A仲介会社 (年収700万円)。3年間在籍中

目次

【転職前】銀行時代

銀行時代の働き方

私は新卒で銀行の支店でお客様へ法人営業を行っておりました。担当企業は上場企業から中小企業と多岐にわたりそこで10年弱ほど法人営業の経験を積み、社会人としての基礎力・営業力・数字的素養を培いました。

銀行からの転職を決意した理由

幼少期に計勢的に厳しい状況に置かれていた時代があり、その影響で学生の頃よりずっと、将来的には経済的に豊かなステータスである「会社社長」になりたいという思いがありました。一方で、銀行で長年働いていたとしてもその道は見えないと考え、まずはスキルを身に付けるという意味でM&A業界への転職を考えました。

【転職中】M&A仲介会社への転職活動

銀行からM&A仲介への転職で利用したサービス、ツール

金融系に強いということで「ムービン」を使いました。
仕事をしながらの転職で時間がなかったため、「ムービン」1社だけに絞って利用しました。

銀行からM&A仲介への転職先として決めた会社の決め手

M&A経験を積みたかったので、お金を稼げる会社より丁寧にM&A経験を積めるM&A仲介会社にこだわって転職活動を行いました。

具体的には、案件化から案件のクロージングまで、案件のエグゼキューションを丁寧に行えるか否かです。そのため、単にマッチングを行ってお金を稼ぐだけのようなM&A仲介会社は行く気はありませんでした。

結果として、M&A仲介会社を選ぶこの軸は正しく、良い会社に入ったと今では思っております。

銀行からM&A仲介への転職活動の失敗と反省

一方で、正直、転職活動はしっかりやるべきだったと反省しています。

結果的に転職をしたM&A仲介会社への強い不満は特にありませんが、転職活動当初はFAS業界を志望しておりました。

しかし、接触をしたエージェントから「(当時の年齢では)FASへの転職は難しい」と言われ、エージェント頼みだったのでそれを鵜呑みにしてしまい、FASの面接は特に受けずにM&A仲介への転職を行いました

周囲の事例も踏まえると、ここだけの話人材エージェントに乗せられてしまったとも思っており、情報収集をしっかりして転職活度を行えばよかったと後悔しております。

仮にFASも受けて内定をもらっていたら、絶対にM&A仲介ではなくFASに行っていました。なぜなら、FASであれば社内にいる専門家の数や社内ナレッジの厚さが違い、自分が身に付けられる能力の幅も違うからです。

銀行出身者でFASへの転職に成功した事例は何件もあるため、インタビュイーの経歴や年齢を踏まえてFAS業界に広くアプライをすれば、少なくとも1社からは採用されていた可能性は十分ありました。

銀行からM&A仲介への転職後の年収

前職の年収を保証するような会社ではなかったため、銀行からM&A仲介への転職で年収は下がりました。具体的には以下の通りです。M&A仲介は案件のクロージング状況によって賞与が大きく変動するため、転職する前は中々将来的な年収が読めないことろはありました。

<転職前(銀行時代)>
銀行時代は800万円~900万円ほどありました。

<転職後(M&A仲介時代)>
1年目→600万円
2年目→1,100万円
3年目→700万円

【転職後】M&A仲介会社への転職結果

M&A仲介会社へ転職した感想

M&A仲介業務はとても楽しかったです。当初志向していたエグゼキューション能力を培うことはできたことに加えて、オーナー社長と仲良くなり会社の重要な意思決定に伴走して関与できることにやりがいを感じました。銀行時代の法人営業にも通ずるところがあり、振り返ると自身に向いていたと思っています。

また、選んだM&A仲介会社は社内に厳しい営業目標がありませんでした。お客様の価値最大化にこだわっていたので、決してお客様の意思を曲げることなく最後まで伴走できる素晴らしい会社でした。

M&A仲介会社に転職をするとしたら気を付けるべき点

これはM&A仲介会社を目指す人全員に言えることですが、「M&A仲介会社に転職をする場合、将来的に何をしたいかはしっかりと考えるべき」です。

例えば、M&A仲介会社で金を稼いでからそれを種銭にして将来的に起業独立を考えているのであれば、営業ノルマが厳しいけどインセンティブが高いM&A仲介会社を選ぶべきです

逆に、M&A仲介会社で丁寧にM&Aの経験を積みたいということであれば、私のように営業ノルマがない分しっかりとM&Aの支援ができる仲介会社を選ぶべきです。

これはM&A仲介業界あるあるですが、M&A業界の経験がなく営業ノルマが厳しいけどフォローが手厚くない会社に飛び込んだところ、全く成約できず徒に1-2年在籍した挙句に精神を病んでしまう人もいます。

そのため、自身の現状を踏まえて将来的に何をやりたいかをしっかり考え、どのようなスタンスのM&A仲介会社であれば自身の将来の夢は達成できるのか決めておくべきです。

今後のキャリア

今後は投資事業やFAS事業を行っている会社へ転職する予定で、すでに知人の紹介経由で転職先は確定しています。

理由として、M&A仲介業務は一通り体験できて、アドバイザーとして働くことに達成感を感じました。むしろ、M&A仲介でも買い手側につくことが多く買い手と話をしていると、自分もいつかは投資をする側に回りたいと強く感じるようになりました。

そして、投資事業を通じて将来的には冒頭に申し上げた「社長になる」という夢をかなえたいと思っています。

M&Aアドバイザー(FA)の退職理由も同様に「意思決定をする側(投資家、経営者、事業家)になりたいから」があげられております。このように、事業の主体者になりたいという思いはM&A業界でアドバイザーを務める人間に共通して起こるものです

激務だから?M&Aアドバイザーの退職理由を徹底解説!

【最後に】管理者の分析

今回お話を伺った方は、前職の年収を保証するような会社がある中で、敢えて年収を下げてM&Aの経験を丁寧に積めるM&A仲介会社に転職を行ったことで当初の目標を達成することができました。その点で、M&A仲介会社への転職は成功であったと言えます。

一方で、別のエージェントに依頼して銀行からの転職を幅広に行ってFASから内定を得ていたら間違いなくFASへ行っていたとも語っており、エージェント選びや情報収集に一抹の後悔の念を抱かれておりました。

皆様におかれては、上記を踏まえて丁寧な転職活動を心掛けていただけると大変幸いです。

今後も更新をしてまいりますので、面白かったらX(Twitter)で記事をRT、もしくは管理者アカウントのフォローをよろしくお願いします。

プライバシー保護のため、インタビュイーのプライバシーにかかる部分については管理者にて一部脚色を加えさせていただいております。こちらは、インタビューの内容に影響が出ない範囲で行っております

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この記事を書いた人

IBD→FAS(M&A)→事業会社(社長室/事業責任者)。USCPA全科目合格。現在は複数事業(BtoB SaaS)責任者、新規事業担当、経営管理・M&A・IRが主要業務

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